■入院打ち合わせ

 待合室から見えない所に、打ち合わせカウンターとブースがある。
 カウンターでは30代男性が打ち合わせをしていたが、看護婦も男性も明るい明るい。
 じめじめした空気はどこにもなかった。

 間もなくスーツを来た女性がさっそうと現れ、そのオープンなブースに通された。
 この際、明日からでもOKの気持ちであったが、流石に人気があるだけあって毎日10人の手術が7月一杯は埋まっていた。
 残念である。

 そこで最も早い8月上旬にしていただいた。
 仮に10日間の入院となればお盆にかかるが、お盆もやっているので問題ないという。痔瘻を抱えながら、あと1ヶ月は我慢するのかと思うが、まあ致し方ない。



 入院時に大腸検査(2万円)をやり、翌日手術。
 10日間入院して10万円(本人負担2割)である。
 個室等を所望しなければ計12万円ですむことになる。
 (個室は、1日につきプラス8000円。バス付きの特別室は15000円)

 病室は4人部屋であるが、ここでの人のつながりも面白いであろう。
 何しろ、裃を脱いだ"お尻あい"となるわけである。

 その上、ノートパソコンOKであるので、退屈しのぎどころか充電も出来そうである。
 また、バブルジェットバスや展望大浴場など、設備は申し分ない。
 気持ちは、なんだかリゾートで心身の充電をする気分である。
 手術のための入院という気持ちがまるでない。



 それは、このブースでの説明と入院の打ち合わせが、まるでビジネスの打ち合わせをやっているようにも思えたからであろう。
 なぜそう思えたのか?

 先ず、打ち合わせの相手がナース服ではなく、私的スーツだった。
 これで視覚的に病院という感覚から遠ざける効果がある。

 次に、打ち合わせスペースが、ちゃんとパーテーションで区切られたテーブルだった。
 これで環境的に病院という感覚がなくなる。

 そして、必要なことを的確にやりとりしていくので、まるで研修会場の日取りの打ち合わせでもしているような感覚なのだ。

 入院者の気持ちを前向きに変える、このコーディネーターのキャラクターと役割は重要だと感じた。

(*費用は2001年のものです)

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