新説!日本の歴史

パラダイムの観点から維新以降の歴史を振り返る(科学史的歴史観)
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日本のターニングポイント1997
レールが敷かれて50年、日本はターニングポイントを回った…
1947年
 「改正民法」「教育基本法」「労基法」― 
 工業化社会を形成するための基本的なレールが敷かれた。

10年後。
1956年―「もはや戦後ではない」を宣言し、新しい形がうまく行っていることを確認
1957年―「3種の神器」を皮切りに工業化社会へと邁進していく。
1967年―「3C時代」「大きいことはいいことだ」と、重厚長大を誇る。
1976年―田中角栄の逮捕は、本質的には工業化社会の転換を示すものだった。
1987年―国鉄の民営化(JR)は、「鉄は国家なり」の時代の終焉を知らしめた。

そして、50年後
1997年
社会はアンシャンレジームの膿を出しながら新たな枠組を模索し始めた 
 明治維新は、米を通貨とし農業を基盤にした社会から、資本を基に工業を基盤とする社会へ向かうための大転換期でした。列強パワーに驚愕した日本は、農業を基盤とする社会体制(幕藩体制)を崩壊させ、早急にそのパワーを我が物とすべく強力な中央集権へと向かいます。
 そして、闇雲に力を手に入れようとした植民地立国の苦い蹉跌を経て、工業立国へと転換するわけです。

 1953年のペリー来航で“パワー”に目が覚めた日本が、工業立国としての法基盤を整える(1947年)まで、約100年を要しました。100年をかけて、日本は農業立国から工業立国への転換を果たしたといえます。

 しかし、それから50年―1997年に様々な社会問題が日本を襲います。
 それはビジョンを失った社会システムが人間自身を追いつめ食らい尽くしている姿でした。企業不祥事も相次ぎ…そして、ついには人ではないものを創りだしてしまった「酒鬼薔薇事件」はその象徴的なものでしょう。


 おりしも1997年は、15歳未満人口と65歳以上人口が交差した年でした。
 人余りを前提とした社会体制が人不足を前提とする体制へと変わっていかなければならない起点になる年だったのだと思います。
 が、システムはビジョンなきままに動き続け、社会保険制度に象徴されるがごとく次々と崩壊に次ぐ崩壊を続けています。97年、いえそれ以前から体制を変えよというサインが相次いだにもかかわらず、それを無視し続けた結果、現在の社会システムの崩壊を招いているわけです。

 私は当時から97年に注目しておりましたが、2005年博報堂が「1998年から日本人の行動様式―考え方が変わった」という報告をまとめました。やはり、97年が転換点だったのだと思います。人々は変化し始めました。しかし、システムは「なぜ変われないのか」と叫びつつも転換できないまま今日に至っています。


 「問題」は、「仕組」と「現実」との間にギャップがある時に起こります。

 どのようなギャップがあるかを知るためには、「仕組」がどのようなポリシーの下にできたかを知る必要があります。次に、仕組みはポリシーの通りに作られることを知る必要があります。
 言い換えれば、仕組みが動き続けているということは古いポリシーが生きているということ。そして、新たなポリシーが生まれていいない事を示しています。

 このコーナーでは、維新以降の日本がどのようなポリシーの下に作られ、そしてそれが現在にどのように影響しているのかを振り返ってみたいと思います。


 この作業をする理由は、「知る」ことが変化につながるからです。

 組織改革を行ってきて思うことは、体制立て直しの要諦は情報の開示だということ。
 隠そうとすればするほど不安感は増大します。 問題点が見えないから手の打ちようがないばかりか、対策へと向かうべきエネルギーが疑心暗鬼に向かって、 ますます組織は混乱の深みにはまっていきます。 そのため、隠し続けている間は組織は沈み続けることになり、下手をすればそのまま水圧に耐え切れずに瓦解してしまいます。

 逆に、「知る」ことは希望につながります。なぜなら、公表するという行為によい方向へ向かうという意志と決意、そして見通しを感じるからです。何より弱みが分かって対策を打つことにエネルギーを結集できます。
 「不安感」を「危機感」に変え、人を行動に向かわせるためには、情報の開示が必須なのです。

 このコーナーを読むことにより、なぜ、「今」がこういう状況なのかを知るよすがになれば幸いです。

― 参考資料 ―
*歴史的事実を俯瞰する部分は、主に下記の本及びインターネットを参考資料として用いております。
「スーパー日本史」(古川清行/講談社)
「わたしの歴史」(AA出版)
「日本サラリーマン神話 ことはじめ百年史」(荒川進/日本工業新聞社)
「家族データブック 年表と図表で読む戦後家族」(有斐閣)
「家族の文化構造」(川本彰/講談社現代新書)
「家族という関係」(金城清子/岩波新書)
「未完の明治維新」(田中彰/三省堂選書)
「日本列島改造論」(田中角栄/日刊工業新聞社編)
「カイシャ大国 戦後50年」(朝日新聞社編)
「人事破壊」(日下公人/PHP)
「ヒト不足社会」(NHK取材班)
「ポスト終身雇用」(波頭亮/PHP)
「少年H」(妹尾河童/講談社)
「就職」(小中陽太郎編)
「人間を幸福にしない日本というシステム」(カレル・ヴァン・ウォルフレン/毎日新聞社)

*歴史の流れの見方などは下記の本を参考にしています。
「歴史とは何か」(E.H.カー/岩波新書)
「科学革命の構造」(トーマス・クーン/みすず書房)
「ニュートン力学の誕生」(吉仲正和/サイエンス社)
「第三の波」(アルビン・トフラー/日本放送出版協会)
「アクエリアン革命」(マリリン・ファーガソン/実業之日本社)
「社会科学における人間」(大塚久雄/岩波新書)
「経済学とはなんだろうか」(佐和隆光/岩波新書)
「肉食の思想」(鯖田豊之/中公新書)


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