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生のヒントと転機の8章
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地震が教える社会変化のメカニズム

 地震の起こるメカニズムと社会の変動の起こり方はよく似ています。
 というよりも、地震という自然現象が、社会の変動という社会現象の起こり方に気づきをもたらしてくれます。

 固い岩盤の下で、マントルは常に変化しています。
 変わろうとするマントルと、変わるまいとする岩盤とのギャップが大きくなって、その歪に耐え切れなくなったときに、ドンと岩盤ははじかれ、亀裂が入り、大地震となってそれまで築き上げてきたシステムを崩壊させます。



 ここで、岩盤を社会システム(法体系、政治体系、経済体系、社会制度の体系等)としましょう。
 マントルは日常の生活です。もっと言えば、人の心が求めるものの流れ。人の心そのものです。

 人々の求めに応じてシステムができた時、そのシステムは空気のように存在するでしょう。
 モノが欲しい時にモノを生み出すのに適したシステムに人は合理性すら感じたでしょう。

 しかし、モノが満ちココロが欲しくなったときに、モノしか生み出さないシステムに人々は違和感を感じ始めます。そして、ココロを満たすシステム(新興宗教など)に惹かれ始めます。

 これは、社会システムと人々の求めるものとの間にギャップが起き始めているよというサイン(予兆)です。
 ところが、この時点では“個人的な問題”として取り合おうとしません。

 なぜなら、完成したシステムは、そのシステムを維持し続けようとするからです。
 存続し続けることが命題となったシステムから見れば、それらの人々は単なる逸脱者でしかありません。
(前頁の球界の例で言うと野茂、イチローあたりまでは逸脱者と見られていたと思います)



 しかし、そうする内にもギャップはどんどん大きくなっていきますので、逸脱者が増えていきます。
 逸脱できない人は、自分の内部にギャップを抱え込んで精神を病んだり、生きる意欲をなくしたりします。
 また、逸脱者が増え始めると、システムは厳罰を持って対処しようとします。

 おおむね、「法」が表舞台に登場するときは、システムと人々の求めるものとの間のギャップがかなり大きくなってきたときです。システムは既にかつての空気のような存在ではなくなり、システムのいびつさが誰の目にも露わになり始めたときに、「法」が登場します。

 この時、
 システムを維持するものとして法が機能するのか、
 システムと現実のギャップの調整役として機能するのか、 それとも、
 システムの変化を促す方向で機能するのか、
 によって、
 変化がギクシャクするのか、
 ソフトランディングしていくのか、
 大きく分かれます。
 「法」の真価が問われるところです。



 (社会保険やNHK視聴料の逸脱者が増えたのも、それらのシステムと人々の求めるものとの間にギャップが大きくあることが明確になったからでしょう)

 逸脱者が少ない内は無視、
 ポツリポツリと増え始めたら法で対処し(どちらかといえばシステム維持のために押さえ込み)、
 そして、逸脱者が多くなってくるとシステムは混乱に陥ります。

( 前頁の球界で言えば、いつの間にか「松井」というスターまでが“逸脱者”になってしまったとき、実は球界は混乱に陥っていたわけです)

 逸脱者が多勢になる=システムのほうがおかしい(人々の求めるものに会わない)ということです。
 が、多勢に無勢でも、システムが簡単にひっくり返らないのは、北朝鮮などを見てもよくわかります。

 が、磐石の岩盤の上に打ち立てたシステムであっても、その下でマントルは動き続けているのです。
 予兆の後には、遠からず、必ず激震が襲います。

 いつまでも続くものと思っていた体制も、終わるときは一瞬、そして、終わってしまえばあっけないものなのです。



 これが、地震が教えてくれるものであり、人間の歴史が教えてくれているものです。
 (私が言っているのではありません)

 社会が変化する事を示す「予兆」現象は、今や隠しようもなくあちこちに見られます。
 それに気づこうと気づくまいと、地震は起きるのです。

 ならば、予兆を観察して「心の準備」をして、不意の地震に備えましょう。
 それが自分を守る道です。


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