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3、実際に応用してみましょう(解説)

 なぜ、わずか数時間の会議で、これだけの結論に到達しえたのでしょうか。次の二つのことを基にして振り返ってみましょう。

1)議論の流れ
青赤白緑、黄、黒赤青

@俯瞰→A感情→B事実→C(提案→評価→批判)→D感情→E俯瞰

2)6色ハットの基本的な用い方
6色ハット構成モデル

 本ケースでは、最初に向かうべきゴールが示されました。
 そのゴールとは、「今やっていることをやめなさい」=ある事実をカット(削除)せよ、ということでした。
 そのやめる事に対して、いろんな気持ちが湧き起こりました。
 しかし、それをうまく言い表せません。
気持ちを表に表現できなければ、その気持ちは伝わりません。

まして、それを文章にして表現できなければ、組織は動きません。
 組織を動かすためには、
1.理論武装し、
2.それを分かりやすく表現する。

 この2つを行うことが必要です。



 一方、自分の気持ちに捕われていると、そのゴールに対する批判ばかりが出てきて前に進みません。 気持ちが前に進みたがらないからです。

 そこで、その設定されたゴール自体の是非はともかく、何のためにそういうゴールが設定されたのか、自分達が向かうべき方向を確認しておく必要があります
 誰しも、自分および自分の所属する会社が、より良い方向に行くようにと思ってやっているわけですから…。



 そこで、島津が最初にやったのが、冷静にさせることでした。
目的を聞くことによって、自分たちが向かうべき方向を自覚させたわけです。

 その方向は、最初から明確なものが出てくるわけではありません。
 ここで大事なことは、「目的は何?」というきっかけを与えることによって、批判ばかりに向きがちな気持ちに楔を打つことです。

 そのため、目的は何だ!と、最初からガンガン議論することは意味がありません。
 少し、冷水をかける程度の効果があればいいわけです。



次にやったのが、気持ちを聴くことでした。
 前のページで、「思いの裏には事実があり、事実の裏には思いがある。そして、そこに解決策がある」と標題に書きました。
 上の2)の図を見てもお分かりの通り、事実と感情は表裏一体の関係にあることが分かると思います。そこで、 感情から事実を手繰り寄せたわけです。

 残念ながら、教育を受けた人ほど知識や理論から事実を手繰り寄せようとします
 その手繰り寄せる段階で、既に、その知識や理論で説明できる事実しか手繰り寄せない、というようなことはよくあることです。
知識や理論は嘘をつくことがあるわけです。
 そのとき、事実は、もう「白」ではなく色づけされてしまっています。

 感情は万人が持っています。
 そして、一般に、理屈を言うことよりも自分の気持ちを言うことの方が、どちらかというとたやすいでしょう。
 だから、 感情からアプローチすると、知識を振りかざす人や、屁理屈でも声が大きくて押し通す人など、偏った意見に振り回されずにすみます。

 次に、感情は嘘をつきません
 そのため、気持ちから事実に近づくことが、事実をありのままに見る上でベターだと島津は考えています。
 勿論、いろんな人の意見を聞くことによって、その事実が立体的に浮かび上がってくるわけです。



そこにいるメンバー全員に事実が立体的に見えてくると、あとは放っておいても解決策は出てきます
 事実が共有化され、気持ちが乗っているわけですから、否が応でも意見が出てきます。
 ここから先は部外者が口出すところはありません。
 標題に書いたとおり「解決策は内部にあり」です。

 唯一つやることがあるとすれば、折に触れて目的(青)を思い出させることです。
 最初に「目的は何だ!」と口角泡を飛ばさなくても、この議論の過程で徐々に深まり、それが共有化されていきます。

 1)を見るとお分かりのように、最初と真ん中、そして最後に青があります。
 具体的なテーマや議論を通して、目的(青)を確認していると言っても良いでしょう。
  最後の青がはっきりした所で、はじめて確固たるポリシーをもって、提案(緑)を文章化できるわけです。
 
 提案しても、それを実施し、成功しなければ意味がありません。
 成功に導くためには、いろいろと行動して乗り越えるべきものが沢山出てきます。
 その行動を支えるのは、気持ち(赤)です。
 そのため、最後に気持ちが納得して、全員が一丸となってあたることが成功の秘訣となるわけです。
 


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