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【20050303 前コクド会長 堤義明逮捕】

 2、Y氏を支え、そして滅ぼした「家憲」

 Y氏の転落の理由がいろいろと取りざたされていますが、Y氏に大きく影響を及ぼしたものとして「家憲」が挙げられています。いやぁ、驚きました。「家訓」ではなく「家憲」です。
 憲法ですから、犯すべからざる神聖なもの―言い換えれば、絶対に服従しなければならないものなのです。ほんの少しの逸脱も許されません。

 その「家憲」が強制するものは「滅私奉家」―自分を殺して家を守りぬけということです。
「家憲」に書かれている事は、父親が徹底した管理教育でY氏の身に叩き込みました。そして、叩き込んだ事を“言葉”として残しました。

 Y氏は、父親の強い思いと共に言葉を内在化すると同時に、外在化した言葉(家憲)によって支えられたわけです。たった一人でここまでやってこられた理由は、ここにあるのではないかと思います。父親がY氏の中に棲んでいるのです。



 そのY氏を支えた「家憲」が、Y氏を滅ぼしました。
 彼は、経済社会の常識ではなく、「家憲」に従って行動しました。
 先に挙げたシェフの行為も、「家憲」のポリシーにそむく行為だったのでしょう。

 それがどのような逸脱であれ、「家憲」からの逸脱は許されることではありませんから、更迭したわけです。その時の「激怒した」様子を独裁的な感情的な振舞いとしてマスコミは見ているようですが、逆鱗に触れた理由は「家憲」から逸脱したからだと思います。
 そして、激情に駆られて更迭したのではなく、「家憲」に忠実に、何を思い悩むこともなく更迭したのだと思います。

 つまり、何迷うこともなく、Y氏は徹底して「家憲」(父の教え)に忠実だったのです。
 言い換えれば、父親の死後も父親に支配されていたわけです。



 土地が“神”となった高度成長時代、“土地の鬼”の教え(家憲)は「王国」を築き上げました。 しかし、土地が神の座から滑り落ちるとともに、王国も崩壊していきました。

 それでもY氏は、ごく最近も「観光に適した土地は全部、手に入れたい」と言っていたそうです。 そして、ゴルフ場やスキー場の設計図を作成しているときの「会長は本当にうれしそうだった」と新聞(2004.02.26 朝日)は伝えています。

 時代や社会がどう変わろうとも、「家憲」にのみ忠実に生きた―父親の言いつけをきちんと守って生きている“子ども”の姿をそこに見る気がします。

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