| 残念なのは、軌道を変える時に、役所が安全チェックの機関として全く機能していないことである。 テレビのインタビューで、“JRが当然安全も計算に入れた上で変更を要請するだろうから、役所の方ではチェックしない”という事を、役所の担当者はなんの悪びれもなくさも当たり前のような顔で述べていた。その表情には、なんの呵責も見られなかった。 仕組みが機能しないとは、こういうことなのである。 セクションがあったとしても、その担当者が自分は何をすべきなのか、どんな権限を与えられているのかを理解していない。 工場などで事故が起こる時は、4重、5重の安全関門がすべて機能しなかった時に起こる。それだけの関門が機能しないということは、ほとんどが人為的なものなのだ。動燃の事故などを思い出すとよい。 マニュアルがあったにもかかわらずそれが無視され危険行為が慣行となっていたり、いろんな理由で警報が切られていたり、安全管理の部門の権限が弱かったり、いわゆるリスク対策が形骸化していることが多い。 結局、担当者に意識を持たせ、責任や権限を与えているか否かと言うことに尽きる。 許認可を行う機関や部門は、「査定」するのが仕事である。 その査定の本質は、先ず第一に「安全」か否かをチェックすることである。 役所は、そういう目利きができる専門家を雇うべきだろう。 厳しい言い方をすれば、役所はJRの不安全行為に「加担」したのである。 心理学的に言えば、悪しき状態を維持あるいは促進する役割をする人のことをイネイブラー(促進者、背を押す人)と呼ぶ。この時、役所はJR西日本のイネイブラーとなった。 社会の安全を守る防波堤としての役所。 しかし、その役所は既に形骸化していた。 |
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