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【1990-2005 三菱自欠陥隠し問題】

10、範を示し始めた三菱自

 誠意を示すとはどういうことか、組織が行動するとはどういうことか、今、三菱は範を示し始めています。

 誠意とはどういうことかを示しているのは、三菱ふそう元社長・村田有造(67)氏と三菱自元執行役員・中神達郎(62)氏です。
 お二人は自分のやったことを認め、ご遺族の痛みもわかったのでしょう。
 痛みがわかるからこそ、もう2度とやらない、と更生できるのです。
 その痛みをわかってもらったということが遺族にもわかるからこそ、遺族もこの2名を信用できるのです。ですから、お二人はご遺族と示談することができました。

 無罪を主張している三菱自元社長・河添克彦(68)、三菱ふそう元会長・宇佐美隆(64)の両被告とは示談が成立しないのは当たり前です。遺族の方々が、この2名を信用できないからです。

 最後にモノを言うのは、肩書きでも能力でも地位でもありません。
 人間としての誠意です。

 そして、誠意を示した時、加害者と被害者が再び手を取り合えることを村田氏と中神氏は示しています。



 また、2005年3月、益子修社長(56)は、「大変功績のあった先輩方に損害賠償を求めるのは、大変な決意だった」としながらも、7名に対して損害賠償請求を行いました。
 これも天晴れな決意の示し方だと思います。
 世間もその行為に、絶対に後戻りはしないと言う組織の決意を感じるのではないでしょうか。



 15年に渡って自壊し続け、壊滅の一歩手前までいった三菱自。
 そのままであったれば、おそらく山一と同じ道を辿っていたことでしょう。

 しかし、地面に激突する寸前で、機は態勢を取り戻しつつあります。これから標準高度に戻るまでに多々困難が待ち受けていることでしょうが、少なくとも激突は免れました。

 私は、今、とても期待しています。
 これまでは日本の象徴たる組織の膿のごとき会社でした。
 しかし、もしかすると日本で始めて「組織が行動するとはどういうことか」を理解できる組織になるかもしれません。
 また、そうなってもらわなければ、被害者が浮かばれません。
 経営者は、断固たる行動を示してほしいものです。

By the way
 渡辺淳一氏も、ある週刊誌で中国問題に触れ、日本は謝るべきだと明快に言い切っておられました。氏は幼い頃中国に住み、実際に日本人が何をしたのか見ています。共感する気持ちがあるわけです。骨のある方だと思いました。

 さて、日本のとるべき姿勢は、今、日本の代表的企業の一つである三菱自動車が示し始めています。
 こちらでも書きましたが、「謝る」とは、終わらせる行為ではなく、そこからスタートする行為なのです。

 日本人は、「思いやりの民族」だったはずです。
 相手の心の痛みが分る民族だったはずです。
 共感することができる大きな民族だったはずです。

 やるべきことは示されていると思います。

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