■人事部がチェンジモンスターになる理由

4、高度成長を生きてきたこと
 当時、ある部長から
「同じ時間、同じ賃金をもらうとサボる奴が出てくるだろう。そういうのをどうしたらいいかねぇ」
 と問われたことがある。

 そのとき、私すぐにこう答えた。
「同じ時間、同じ賃金で仕事をくれない会社には誰も残りませんよ。市場価値がつきませんから。サボる人間がいたとしても自然淘汰されていきますから、そこのマネジメントにエネルギーをかける必要はありません」

 ここには、両者の価値観の差がはっきりと現れている。
 ここに見えるのは、
工業社会型内向きのマネジメントと
情報化社会型外向きのマネジメントの差だけではない。

 もう一つ、なかなか踏み越えることのできない本質的な差が隠れている。

 それは、部長が、
会社が永遠に存在するという前提から発想しているのに対して、
我々は会社がなくなるかもしれないという前提から物事を見ている点である。


 たとえば、人事が春闘など組合との闘争にエネルギーを費やしていた時代は、我々から見ればある意味平和な時代であった。今、同じ船の上でそういうことをしていれば、タイタニックのごとく沈没してしまう。

 危機感は眠っていたセンサーを目覚めさせる。
 あと数年大過なくお勤めすれば退職金がもらえるという年代層は、センサーが目覚めにくいのも致し方のないことである。
 ともあれ、どのような危機感を持つかによって、人事のマネジメントにおいてどこにエネルギーをかけるのかが大いに異なる。
 それだけではなく、マネジメントの姿勢や方法論がおよそ正反対になることがわかると思う。

 この気づきがないことが、世の中の動きから取り残される4つめの要因である。
(時代・社会環境要因2)

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