■組織活性度とモラル

 この項では、組織の活性度とモラル、及び組織や個人の生産性との関係をシステムズアプローチの観点で見てみたいと思います。「市場価値下落分岐点」や「モラル臨界点」など私のオリジナルなグラフやものの見方も出てきますので、それを基にあなたの所属する組織の診断にお役立ていただければ幸いです。

1、人は環境の動物である

 モラルが高い人などという場合、あたかもその人の属性のように言われます。もちろん、その人の資質による部分もあるでしょうが、多くの場合、モラルを高く保っていられる環境がその人の周りにあるという事を示しています。

 極端な環境下、例えば戦場では、ヒトの子の親が赤ん坊を空に放り上げ、落ちてくるところを銃剣で突き殺しました(日本人が中国でやったことです)。
 北朝鮮脱北者の手記を読むと、体罰で手の平をつけたままの格好で校庭を何週も周らされ、掌の皮がずる剥けになるのですが、それを命ずる先生も人の子の親なのです。

 近年の日本においても、金融業界と“闇”金融業界の垣根が取り払われんばかりに近づいたバブルの頃、マネーのためなら何でもありという様相を呈し、「赤信号みんなで渡れば怖くない」という流行語が流行ったくらいモラルの低下は社会的に蔓延しました。
 経済の血液とも言うべきマネーを健全に扱うのが銀行の使命です。その銀行という経済の根幹を成すべき業界がモラルを失ったことの社会的ツケは大きく、社会に不信と様々な不安を撒き散らしました。
 そして、その時代、確かにモラルが低下していた事は、現在失ったモラルの建て直しのために全ての企業において、CSR(企業の社会的責任)がクローズアップされていることでもよくわかります。



 さて、これらのことは個々人のモラルの問題ではなく、国全体、もしくは社会、業界全体でやったことです。環境によって人は変わり、環境の中で人は踊らされるのです。
 言い換えれば、自分の思うとおりに人を躍らせたいのであれば、その人を隔離した環境下において洗脳することです。その典型がサティアンです。
 そして、サティアンと同じような環境下にサラリーマンもおかれている事を、1997年に噴出した数々の企業不祥事が証明しました。(例:会社もサティアン

 これらの事例を見ると、個人のモラルはその個人が属する環境に大きな影響を受けることが分かると思います。



 私も、大いに驚いた経験があります。
 ある職場に、派遣社員の女性が配属されました。どちらかというと地味な感じの女性でした。が、わずか3ヵ月後にたまたま見かけて我が目を疑いました。
 一体誰だ、こんなかっこうした女性を平気で受け入れているのは、ここはキャバクラじゃないぞ、と思うくらいの派手な服装で、スカートも超ミニなのです。長年の会社勤めでも経験のないことです。

 目が悪い私は、通り過ぎるその女性の顔を見て2度目のショックを受けました。
 なんと、3ヶ月前のあの地味な女性だったのです! その余りの変わりよう…。
 まぁ、我が目を疑うとはこのことでしょうか。

 その職場の話を別な人に聞いてみました。すると、職場内で女性社員の事を日常的に「おねえちゃん」呼ばわりしているとのこと。そして、ぶしつけに全身をジロジロと見るそうなのです。
 なるほど、謎が解けました。
 その職場がキャバクラ化していたのです。その地味な女性は“キャバクラ”に通い始めて3ヶ月。見事、その職場のニーズに答えて変身したのでした。



 生物は、環境に適応することで生き延びてきました。
 人間も同じく環境の動物なのです。


 上司が責任を追わない体制であれば、部下も責任を負わない。責任のない環境において、人は責任を取る事を学べません。その様子がここにも書かれています→「成果責任が機能しない理由」

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