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-読書感想文第14弾「あきらめの壁をぶち破った人々」

 日経から良く出るタイプの、実用モノの企業小説の新刊だ。
 ハード本で1600円なので少し高いかもしれないが、じきに文庫化されるだろう。
 改革までいかなくとも、「変わる」ことに人は抵抗するものである。
 それが組織に染み付いているならば、変えることは容易ではない。
 下手に出る杭になると、抹殺されることになる。

 簡単に言うと今回のこの小説は、製薬会社に文書の一元管理情報システム導入プロジェクトの話である。
 何かやろうとすると、次々と壁にぶち当たる。
 いわゆる「バカの壁」であるが、この壁は幾重にも連なり、やる気をそぐに充分である。 しかしながら、このようなバカの壁が現在の日本沈滞の元凶であり、奉公滅私のもとで繰り返されてきた企業の不祥事の原因でもある。

 政治改革に留まらず、総論賛成各論反対になることはよくあるが、このような壁をぶち破らない限り日本に未来はないだろう。
 もちろん、そのような人材が無いわけではなく、企業内で「手足」となることを要求され、「頭脳」は死に体になっているからだ。

 しかしながら、団塊の世代というのは、環境に振り回されてきた面では不幸であった。 50代の上司を邪魔者扱いするのではなく、いかに切り抜けるかということも身に付けていかなければならないと思った。

 本書は業界に関係なく読むに値するだろう。

--------------------------------------------------------------- 2004年1月1日 13時40分 (第893号)

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