ガ
イア
か
らの
自律


■人体におけるエントロピー排出の仕組

 生態系(ガイア)が開放定常系であると同様、その中に住むヒトも開放定常系です。どのような仕組みで、増大するエントロピーを体外に排出しているのでしょうか。

 人体を維持するには、人体構造を作り活動を維持するための栄養の摂取、呼吸、そして体温を一定に保つことが必要です。

栄養は、食物(低エントロピー)を食べ、その養分を胃腸で吸収し、血管を通して全身に供給されます。
呼吸は、肺を通じて二酸化炭素を排気、酸素を吸気する炭素循環をします。
体温は、血液の拡張・収縮、(暑いと)発汗、(寒いと震え)運動などで調節されます。

 ヒトの活動の結果、増大したエントロピー(廃物・廃熱)は、排便・排尿・発汗などの形で体外(系外)に排出されます。
 こうして、開放定常系としてのヒトは、生命活動を維持しているわけです。


 生命活動維持のために最も重要なものは、廃物・廃熱の機能です。

 第一に熱。
 呼吸ができ、栄養があっても、体温を奪われれば人は死に至ります。逆に高熱が続いても同様です。

 次に廃物。
 腎透析で分かるとおり、廃物が体外に排出されなければ、毒が回って危険になります。

<余談>
 これまで、学問の世界では、三大欲(睡眠欲、食欲、性欲)など人間の欲求については心理学などが追究してきましたが、排出(捨てること)については、あまり研究されていませんでした。

 しかし、涙がストレス物質を体外に排出していることが分かったり、うつにならないために我慢ばかりではなく時に気持ちを吐き出すことが奨励されたり、心の世界でも「吐き出す」ことの重要性が認知されてきています。


排出する、とはちょっと違うのですが…

「万物は流転する」
 ではないですが、全ては流れていてこそ、健全さが保たれるわけです。
 流れずに、どこかに溜まったまま淀みができると、そこから腐り始めます。

「金は天下の回りもの」 
 金が富裕層にばかり流れ込み、貧困層との格差が開くばかりのような経済の仕組では、いずれ全体が崩壊するでしょう。
 人が箪笥にお金をしまいこんで流通させないのは、政治が信用できないからではないでしょうか。自然災害の大国日本で、いざ災害にあったら自己責任といわれてしまえば、いつくるか分からないいざという時のためにお金をしまいこんでおくのは当たり前です。人間の能力を超えた災害にすら「自己責任」というのであれば、国は何のためにあるのかと思ってしまいます。土砂で家が失われて尚ローンが残る…ただでさえ心の痛手は大きいというのに、無気力にもなろうというものです。
 もう少し被災者の生きる意欲につながる政策が必要に思います。

「人材流動化」 
 人材が固定化している組織ほど、硬直化して機能していないことは論を待ちません。やがて腐敗が始まり、不祥事が起こることになります。

 日本の球界が存続の危機に陥ったのは、カネも人材も一極集中して淀みができたからです。このように流動化しなければ、その業界全体すら死んでしまうわけです。



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開放定常系としての人体
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